2006年12月07日
最近、ウンコの量が少ないフードが良いフードと言う間違った認識の方が増えているように思います。
そういえば、とあるドライフード批判本に、そういったことも書かれていたのを読んだことがあります。
ウンコの量は、何によって決まるのでしょうか?
タンパク質(お肉、魚)や脂質(植物油、お肉の脂肪分)も全てを消化する訳ではないので、ウンコに出ますが、犬は、消化が上手いのでそんなに影響しません。
それに対し、穀物は消化が下手で、アルファー化していない穀物は殆ど消化できません。
また、食物繊維も食べたものの10%位しか消化できないそうです。
食物繊維は、穀物や野菜の難消化部分ですので、犬にとって、アルファー化していない穀物も、食物繊維と考えて良いと思います。
つまり、この広義の食物繊維がウンコの量を決めます。
人間の栄養学で、以前は、食物繊維は、ゴミでしたが、この20年位は、必要なことが解ってきました。
食物繊維は、栄養にはなりませんが、乳酸菌などの善玉腸内細菌のエサになります。
腸内細菌が、善玉菌だったり悪玉菌だったりする、その分布を、腸内フローラと言います。
善玉菌は、乳酸菌やラクトバチルス、フェーカリス菌などを代表するもので、これらの菌は、免疫力を高めて癌や感染症を予防たり、ビタミンを合成したり、アレルギーをおこりにくくしたりします。
悪玉菌は、大腸菌やウェルシュ菌、バクテロイデスなどを代表するもので、細菌毒素や発癌物質を産生したり、それによって、皮膚を荒らしアレルギーをおこしたり、体臭を増やしたり、肥満の原因にもなるそうです。
主に善玉菌のエサは、食物繊維で、悪玉菌のエサは、お肉だということです。
しかしながら、犬は、肉食系ですのでしっかりとお肉を食べないといけません。
なので、お肉も食物繊維もしっかり食べないといけないということです。
上記より、腸内フローラの分布構成が非常に重要なことを解って頂ければと思います。
また、善玉菌にエサを与えないといけない事もわかっていただけたと思います。
しかしながら、食物繊維は、大腸の短い犬は10%位しか消化できませんので、当然90%位は、ウンコになるわけです。
犬の健康面から考えた設計をするため、食物繊維を増やすと、当然、ウンコは、大きくなってしまいます。
では、なぜ、小さなウンコが良いと本などに書かれているのでしょうか?
畜産の業界では、近年(20〜30年前から)、牛、豚、鶏の糞の処理が、昔のように畑で肥料に出来なくなったため、産業廃棄物として処理されるようになり、そのコストが牧場経営を揺るがすようになったのです。
そこで、大学や農業試験場では、どうすれば、糞が減らせられるか、競って研究され、糞の少ない飼料が技術の証とされました。
そのうちの、豚の技術が、同じ雑食獣として犬にも転用されるようになったのです。
穀物の高度なアルファー化で穀物の消化を上げ、悪玉菌が増えすぎると悪臭になるので、抗生物質等の抗菌剤で制菌すると言うものです。
抗菌剤の事は、話が逸れてしまいますので次回ということで、今回は穀物のアルファー化についてもう少し掘り下げてみます。
僕は、そもそも犬と家畜は違うと思っています。
家畜は、出来るだけ、安くて少ない飼料で、大きく成長させ、出来るだけ糞を減らて、しかも、筋肉に脂が入るように肥育させ、飼料対成長曲線で一番経済効率が良いところで、寿命をまっとうせず、肉にされ販売されます。
乳牛や卵鶏でも収支計算は複合されるだけで、全ては経済効率が優先されるのです。
一方、犬は、ペットですので、早く大きく肥育するよりも、より健康に長生きできるようにドッグフードを設計すべきと考えます。
確かに、高度なアルファー化によって、最大成長させることが出来ますが、それは、肥育つまり肥満に育てるだけで、健康とは全くかけ離れたものなのです。
だからと言って、食物繊維をとにかくたくさん食べればいいかと言うと、そうではありません、適量が存在します。
腸内フローラから考えた、ドライフードにおける穀物の最適なアルファー化の割合は、60%〜70%と当社は考えています。
ですが、これくらいだと、ウンコは、アスファルトにかたが残るくらいの柔らかさになってしまいますので、割合を上げて80%位で、現在は、設計しています。
80%は、ウンコになり、残りの20%は、善玉菌のエサにすると言うことです。
長くなりましたが、ドッグフードは飼料だという一昔前の考え方から、より人の食品に近い高度な健康を考慮した設計の時代になってきていると言うことです。
また、食物繊維は、野菜からでは、犬の場合だめです。
穀物から採らせる必要があります。
これは、またの機会に詳しく書かせていただきます。
よろしくお願いいたします。